アルパカをめぐる冒険 後編
アルパカをめぐる冒険、後編。
ダチョウに驚き、
アルパカにたかられ、
ポニーのたたずまいにわびしくなり、
ニックネームのつけ方に笑った後、
まだまだ続くアルパカ牧場見学のはじまり。
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中ほどに、いい味を出している茶パカを発見。
まだ子供なのか、中庸な体系がかわいらしい。
そしてエサをもらいに近づくでもなく、逃げるでもなく、微妙な距離でついてくる。
しばらく眺めていると、食べた草の反芻をはじめた。
動画でどうぞ。
これはもう、ずーっと見てられる(笑)。
自然に笑いがこみ上げてくるような。
この分析によると、「笑い」はゲロゲロ笑いとフフフ笑いに分類されるらしい。
1.刺激が社会的なものであること(まわりに他の人間がいること)
2.刺激が本当にヤバく危険なものではないと感じられること(nonseriousであること)
3.刺激が予期しないものであること(驚きを与えてくれること)
これを満たせばゲロゲロ笑いだそうだ。
そしてフフフ笑いは、
最後に、フフフ笑いにふたたび戻ろう。
思わず笑ってしまうという伝染性のゲロゲロ笑いではなく、
自分の発言に対して自分で笑ってコミュニケーションを調整したり、
発言にメタ情報を付加したり(「一緒に花火行こうよw」←みたいなやつ)、
苦笑したり、冷笑したりという、自発的(…)。
で、じゃあこのアルパカを見て起こる笑いは、どっち笑いだ、
ということだが、これは非常に難しい。
「自分とアルパカの間には柵があって安全」な一方で、
「社会的なコミュニケーションはできない」という事実がある。
きっとアルパカに「話し合おう!」と言っても無駄である。
そんな微妙な距離で、(反芻という)ある種意味不明な行為をされると、
人はとても不安になるのだ。
笑わずにはいられない、というのは、
そこに文脈が欲しいから、なんじゃないかと思う。
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もちろん、
それは動物とのコミュニケーション全般に言えることだが、
しかし我々はテレビや映画・漫画など、
物語で動物を決め付けてしまっていることが多い。
既に文脈が足されてしまっている場合がほとんどだ。
ゴリラを見たら、「ウンコ投げてくるぞ!」と言って先に笑ってしまうように。
子供のときは純粋に楽しめる(笑える)気がするが、
ある程度の経験をして「文脈」が形成されると、
「よく分からないもの」は減っていく。
だから、アルパカという動物がまだ見慣れないものだったから、
そこにある異質な距離感というか、異形のものと対峙している不安、
を和らげるために、自分は笑ってしまったのかもしれない。
(動画で見た場合はまたきっと違うだろう)
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さらに歩くと、
入り口付近の看板で見た「アート・パカ」が登場。
温泉マークが残されていた。
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そして、アルパカ牧場最深部。
このあたりはタレント活動をしているアルパカもいるようで、
「健康管理のため、エサをあげないでください」と書いてあった。
プロだプロ。
そして、撮影用だろうか、毛が刈り取られていないアルパカが2,3頭いた。
やっぱりふわふわしてそうでいいな。
また、さっき言ったような、文脈を無視したアルパカもいる。
なんというか悟りの境地にいるよう。
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そして、
相変わらず適当な名前付けのアルパカたちに混じって…、
ミラバケッソイタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!
まるで牧場の主のように、
大きな体を横たえていて非常に貫禄がある。
毛があるせいでたたんだ足が見えず、ネッシーのよう。
すげええええええええ。
もうすぐタレント活動引退だそうです。
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そしてお待ちかね、
アルパカとの記念撮影コーナー
ドンドンパフパフ
向こうの方から、撮影用につれてこられるアルパカ。
名前はシナモンちゃんです。
じ、実にいい顔をしている…
これはよく訓練されたアルパカ。
こんな風に、
撮影中も終始笑顔。
だめだいい顔すぎる。
13時から15分程度で行います、というアナウンスの撮影会。
あまり混んでいなかったので、すぐに順番も回ってきた。
休日だともうサクサク撮っていかないと、えらい行列になるらしい。
係りの人が、再三「おしりを触ると蹴られます!」と繰り返していた。
一応、首や背中はおさわりOKだったので触ってみた。
なんというか、実体がない。
手がいくらでもめり込んでいく。アルパカ恐るべし。
20分ほどで無事撮影を終えたシナモンちゃん。
つれられて帰っていくのでした。
歩き方が芸術的だったので動画でどうぞ。
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最後にふれあいコーナーでアルパカと触れ合って帰途へ。
入り口へ戻る途中、アルパカへのエサやりが行われていた。おやつタイムか。
忘れていたが、高原を飛び回っている動物なので、エサを求めてぴょんぴょん段差を上がっていく。
そういうところは鹿みたいで、なんとも実体のつかみづらい動物なのであった。
敏捷な羊、でもないし…。
あと、最後まで、ポニーは卑屈でした。
うらめしや、と聞こえてきそう。
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世の中、「なんだかわからないもの」が増えている昨今。
アルパカもそんな「なんだかわからないもの」で、
人は、そんなアルパカが「牧場」という形で管理/コントロールされているところを見て、
満足したいのかもしれない。
「ただの動物」(が管理されているところ)を見に行くだけじゃ足りなくなった、ということなのかも。
社会が成熟してきた一端なんだろうなと思う。
そんな難しいことも忘れて、
アルパカたちと触れ合える☆那須塩原牧場。
おヒマな方はぜひ。
おわり